メニューの面からお客様の単価をどのように向上させるか、
「昔から甘いものは入るところが別(別腹)」などと言いますが、
実際に満腹状態であっても美味しそうなデザートを目にすると、胃が変形して、容量を増やそうとするそうです。
デザートの注文が各テーブルから取れれば、お店の売り上げにも大きく貢献するでしょう。
しかし、既製品を皿に盛り付けただけでは、メニューのマンネリ化と割高感を与えてしまいます。
このページでは、客単価向上を目的とした、見た目にインパクトを与え、それでいて仕込みなどの時間をできるだけ少なくしたデザートをご紹介します。

 

今回ご紹介するデザートは、夏にぴったりの爽やかな梅酒を使ったゼリーです。
日本の夏の代表的な和菓子と言えば、水羊羹や冷やし汁粉、蕨餅にくずきりなどがありますが、多量のあんが必要とされ、良質のものは原価が高いのが難点です。材料費の面から見ても、ゼリーは原価を低く抑えて提供できる、夏の優れたデザートと言えるでしょう。
また、梅酒を使うことによって、和の風味と琥珀色の美しい色が演出でき、ゼリー液を作れば、後は果物とあわせるだけの、仕込み時間のかからないデザートでもあります。
お酒と食事の後のデザートと言う想定で、またアルコールに弱い方にも対応できるような味になっていますが、お店のコンセプトに合わせて仕上げに梅酒を数滴たらし、より香りを出してもいいでしょう。
仕込みの簡単なゼリー液ですが、ポイントはゼラチンの扱い方です。単純なことですが、粉ゼラチンの場合は水へ振り入れること。ゼラチンに水を加えると部分的に水を吸ってしまい、きれいに溶けません。
盛り付けは、器に直接固めずに、バットなどに流し込み、オーダーが入った段階でフワッと飾り付けます。背の高いグラス、ガラスの深皿がお薦めです。さらに夏が旬で女性が大好きなベリー類を加えて、商品価値をアップさせます。
最後に、注意したい点は「ゼリー」というメニューの表記。ゼリーという言葉の印象は、仕上がりが硬く、安価で古い感じを与えます。メニューはお客様に最初のイメージを与える、大切なプレゼンテーション。ここではより柔らかさを伝えるために、ジュレと表記しました。(仏語 ゼリーの意味)。


 
材料
●粉ゼラチン7g(冷水50tで戻す) ●水400t ●梅酒250t
●グラニュー糖60g ●レモン汁 少々 ●>果物(ストロベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなど適量) 
●飾り用ミント ●ストロベリーのマリネ液(グラニュー糖、梅酒 各適量)

作り方
1. 梅酒を鍋に入れて火にかけ、200ccまで煮詰め、あら熱をとっておく。
2. 別の鍋に、水とグラニュー糖を入れて火にかけ、グラニュー糖がとけたら火からおろして、あら熱をとる。
3. 冷水で戻したゼラチンを加えて混ぜながら溶かし、1の梅酒とレモン汁を加える。ボールに移し、底を冷水にあてながらあら熱を取り、バットなどに流し込み冷やし固める。
4. ストロベリーは1/2にカットし、グラニュー糖少々をまぶす。レンジで約20秒(レンジによって調節)加熱して、梅酒少々を加えてマリネし、冷やしておく。
5. 固まったジュレ液と、ベリー類、ミントを飾って仕上げる。

★ 盛り付けとポイント
ジュレ液は、大きめのスプーンですくい取り、ベリー類と重ねながら、ふんわりと盛り付ける。ベリーの原価が高い時は、チェリーなどで代用する。


 

今回のデザートメニューについてですが、あえて保存性の悪い餅類や白玉などは使わず、仕込みを考慮して作りおきできる冷たいデザートを主にし、抹茶アイスは脇役としました。既製品の抹茶アイスに小豆やフルーツを盛り付け、見た目を良くする事はいくらでもできますが、素材の寄せ集めでは1回はごまかせてもその後のリピーターはつながらないと思います。仕込み時間が少ないオリジナル商品をメインに、あえて既製品を脇役とすることで、お客様に新しいデザートの印象が与えられるのではないでしょうか?
例えば軽いデザートの印象があるブラマンジェはお腹一杯の時でも注文しやすく、このレシピはゼラチンを最小限に使っているので、女性好みのぷるぷるとした口あたりが特徴です。
和食店で洋風のデザートを出すのは違和感があるかもしれませんが、日本では数年前から和と洋をミックスしたフュージョンデザートが定番となっています。
室温だと溶け出してしまうので、テイクアウトできない、まさにレストランで出すものだと思います。このブラマンジェを主にし、脇役の飾りはすべて作りおきでまかなうことができると思います。

 
材料(直径約6cmの容器10個〜12個分)
● 白練り胡麻大さじ3 ●生クリーム200cc ●牛乳400cc ●グラニュー糖60g 
●はちみつ小さじ1 ●粉ゼラチン5g ●水大さじ3

(ブラマンジェの作り方)
1. 粉ゼラチンは、水大さじ3でふやかしておく。
2. 鍋に牛乳を沸騰させないように温め、グラニュー糖、白練り胡麻を加え、ホイッパーでよく溶かす。さらにもどしたゼラチンを加えて溶かす。
3. 全体が良く混ざったら、氷水にあてて底を混ぜながら冷やす。
4. 生クリームを6分立てにし、とろみがついた3の生地に混ぜ合わせ、容器に流して冷やし固める。(ゆるい生地なので、容器のままお出しする)

抹茶アイス
市販品
苺のソース
冷凍苺をフードプロセッサーにかけてソース状にし、レモン汁少々と粉砂糖で甘みをつける。
胡麻のガレット
春巻きの皮を細長く切り、溶き卵、又は小麦粉を水で溶いたものを糊にして胡麻をつけ、サラダ油できつね色に揚げる。湿気ないように保存する。
大納言小豆のソース
市販のつぶ餡を少量の水でゆるめ、ソース状にする。
季節のフルーツとミント
食べやすい大きさにカット

★ 盛り付けとポイント
大きめの平皿に盛り付け、見た目のサプライズを印象付ける。ブラマンジェ、抹茶アイスともに色が地味なので、明るめのフルーツ、(ここではオレンジ、キウイ)ミントを飾り、苺のソースを皿全体に大きく描く。

2005©MIW Marketing and Consulting Group All Right Reserved.